日付:2006/7/06 天気:晴れ 題名:『日本は敵国』


 

レたちは、日本と戦争状態なんだぞ!

 

と、モンテネグロに行くとよく言われる。最近はモンテネグロの独立により、セルビアの新聞にも記事が載ったそうで、ベオグラードでも何度かこの話題になる。

突然『日本は俺達の敵国だ』なんて言われるとなんて物騒な、なんて思ってしまう。

なぜこんな事が言われるのかというと、1904年の日露戦争当時、ロシア帝国とモンテネグロ王国は同盟状態にあり、日本とロシアが交戦した時点でモンテネグロと日本も名目上の交戦状態となった。日露戦争後も、モンテネグロと日本の間で正式な講和条約が結ばれておらず、まだ交戦状態が続いているという事が理由である。

まぁ実際に戦闘があったりした訳ではない。いわゆる冗談としての話である。実際は親日家の多いモンテネグロ人たちは、この話を笑いながら面白おかしく話してくる。

本当のところは、日本とユーゴスラヴィアの間で国交が樹立されユーゴの一員であるモンテネグロ共和国とも戦争状態ではなくなったはずであった。

が、あまり国際法の事はよくわからないのだが、またまた独立しちゃったモンテネグロとの間ではその辺はどうなってしまうんだろうか。。
また交戦状態に戻ってしまうんだろうか。。 /(-_-)ヽう〜ん


日、運命の独立を果たしたそのモンテネグロへ行く機会があった。セルビアとの境に差し掛かった時、驚いた。(ノ゜凵K)ノ

そこには真新しい税関とパスポートコントロールがあった。以前からボーダーで簡単なチェックが入る場合があると聞いていたが、ここは最近作られたに違いない(実際、現地人に聞いてみると最近作られたそうだ)。

訪れた町は国境にほど近い所(車で30分程)に位置している。最寄の鉄道駅も国境の向こう側、セルビアの町にあるということで、現地の人々は頻繁に行き来をしているそうだ。

なんとなく答えは分かっていたが、現地で知り合いになった人々に独立問題についてどう思うか訊いてみた。

彼ら(高校の校長先生や物理の先生、小学校の先生達)は口々に、「独立反対」という立場を唱えた。彼らは若い頃ベオグラードの大学で学び、今も多くの親戚がセルビア内に住んでおり、自分達はセルビア人となんら変わりがないと言う。今まで普通に行き来していたところに税関やパスポートコントロールが急に作られ、困っていると嘆く。

先の国民投票において、投票者の55%以上の独立賛成票が投じられたのは紛れもない事実である。しかし、45.5%(185000人)もの人たちが独立反対、セルビアとの連合を望んでいたのである。

「我々の高校もオスマントルコの統治時代にセルビア人が建てたものなんだよ。」
と硬い表情で説明する校長先生の横で誰かがぼそっと言った。

「またもう一回投票して連合に戻るさ!」

この一言で一同が笑いに包まれ、重い雰囲気が崩れた。よかったよかった。(´▽`*)

 

その後、町の中心で結婚式が行われているのを見た。こちらの結婚式には旗が欠かせないものとなっており、車でパレードする時も、常に先頭車に掲げられている。今回は歩くパレードを見たのだが、なんと翻るその旗はセルビアの国旗であった。

なんと結婚式に掲げられているのは
セルビアの旗!

 

回の独立以前からモンテネグロ共和国は、セルビアとは異なった通貨(ユーロ)を使い、銀行・郵便等公共機関や航空会社など独自の組織を持っており、独立が決定した後も手続きとしてはスムーズに事が運ぶかもしれない。
しかしこの状況を見る限り、人々の意識が切り替わるにはそれ以上の時間が必要であるかもしれないと思えた。

 

最後にセルビア人から見たモンテネグロ独立についてのお話。

何人かのセルビア人から

『今年の夏はもう海(アドリア海、つまりモンテネグロ)には行かない!』

という話を聞いた。

今年はセルビアから訪れる人が減るかもしれない。
美しいモンテネグロのアドリア海。


モンテネグロは人口約60万人という小国家。夏休みにセルビアから訪れるリゾート客の落とすお金は大きいのだ。セルビア人も海沿いに別荘を持っている人も多く、夏休みはモンテネグロの海に行くのが定番であった。しかし、今年はそれもどうなるかわからない。

独立が決定した際に首都ポドゴリツァの町で大喜びする人々を見て、ムッとしたらしい。(ー'`ー;)ムムッ

今まで多少の問題はあっても、苦楽を共に一緒に頑張ってきたと思っていたのに、独立決定したとたん「やったやった」とバカ騒ぎされて、

なんやねん。
わしらと一緒がそんなにイヤやったんか。

という気持ちみたいなのである。長く連れ添った奥さんと円満離婚したが、別れたとたんえらい大喜びされてな〜んかムカつくという感じであろうか。

まぁ気持ちはわからんでも無いが、まぁまぁ怒りなさんな、セルビアよ。ヽ(´ー` )