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ブルガリアの陶器について(陶器の里トロヤン)

陶器の里「トロヤン」って、どんなところ
ブルガリアの地図
首都ソフィアとトロヤンの位置

トロヤンは130年以上の伝統を持ち、古くトラキア人の時代からの伝統を持つブルガリアの陶器の里です。
トロヤン地方に住んでいたトラキア人は、古代ギリシア時代から水差しをろくろによって作っていたそうです。そのなめらかな表面のおかげで、より多様化した装飾を施すことが可能になりました。その後、ローマ人がブルガリアに上薬をもたらしました。オスマン帝国時代に手工芸の発展期があり、トロヤンの陶芸もさらなる発展を遂げます。トロヤンの典型的な模様もその時代に現れます。20世紀の20〜30年にもう1度クラフトの発展期があり、そこで多くの洗練された陶芸家が生み出されました。


現在この町には陶器を専門に学ぶ学校があり、若い人たちが日々訓練を重ねています。そして一流の職人になるためには、本当に長い年月を必要とします。ブルガリアの有能な陶器職人は皆、ここの陶芸高校で学んだ人たちだ、と言っても過言ではありません。

陶芸家の工房を訪れて
作業を撮らせてもらいました

トロヤンでは、どのように陶器が作られてるの

伝統的に、陶器の業は家族の秘伝として、厳格にそれぞれの家族の中で受け継がれてきました。 一般的には男性が形を作り上げ、それに女性が絵付けをします。その絵付けの技術はとても高い技術で、一見の価値があります。女性の足によって廻るろくろの上で、その複雑な模様がみるみるうちに描かれてゆくその職人技は、見事というしかありません。当然、全てが手作りということで、全く同じものは二度とできません。あなたの手に取ったお皿や、灰皿はすべてが世界に一つなのです。

トロヤン特有の柄ってどんなものなの?

「トロヤンスカ・カプカ(トロヤンの雫)」というのが、この地方の最もポピュラーで典型的な柄です。このエキゾチックで複雑な柄は、孔雀や蝶の模様に例えられることもあります。この柄が陶器のしっかりとした重みと抜群に調和することで、トロヤン焼きの持つ素朴なぬくもりが一層深まるのです。

残念ながら消えゆく伝統。。
しかし、こんなに素晴らしいトロヤン焼きの伝統も、このままだと徐々に消えゆく運命なのかもしれません!90年代前半になって資本主義が導入されてからは、陶芸産業は衰退の一路を辿っているそうです。トロヤンにあった40もの工場のうち、現在も操業しているのは小さな工場をわずか15残すのみ、一時は500人以上もが働いてた最大の工場も、現在はなんとたった12人だけ! 高校での陶芸教育コースも、かつては40人の枠を400人が応募し競っていたそうですが、今は12人しか生徒がいないそうです。
徐々に消えゆくこんな素晴らしい手作りの伝統的芸術「トロヤン焼き」は、これからもっと価値が高いものになっていくでしょう。

ろくろの上で絵付け中のお皿です。 右上にあるスポイトで絵の具をたらし、 櫛のようなもので模様を施してゆきます
「トロヤンスカ・カプカ(トロヤンの雫)」
鮮やかな柄が描かれていくところです。職人技にほれぼれ。
丁寧に並べられ、窯に入れられます。
ろくろとスポイトを使って絵付けします。
ろくろを使っての作業。熟練の技です。